『正のループ』

古賀ヤスノリ イラスト こがやすのり
 人がなにかを選択するとき、自分が良いと思う方を選ぶのが普通です。しかし自信がないとなぜかダメな方を選んでしまう。求める方を選んで失敗すると傷つくので、それを恐れ回避しようとするからです。つまり自ら失敗を選ぶほうがまだ傷が浅いということです。しかしこの傾向はあまり幸福な状態ではありません。
 自信がないとはつまり、自分を信用していないということです。だから失敗して傷つくことを過度に恐れている。そこで傷つくよりも自ら失敗を選ぶ。転ぶよりも自ら倒れるほうが傷は浅いから。そうして本当は求めていない方を選んでいく。これは一種の自己防衛の心理です。
 この傾向を正常化させるためには自信が必要です。しかし自信をつけるには、自分の選択による結果が良いものになる必要があります。よって、本当に求めるものを避けている間は自信がつかない。この負のループから解放されるためには、ただ一つ、勇気を出して欲する方向を選択すること。そうすればもし失敗したとしても、勇気を出せたという事実が、新しい展開に繋がっていく。ここに正のループが生まれるのです。

AUTOPOIESIS 160/ illustration and text by : Yasunori Koga
古賀ヤスノリ サイト→『Green Identity』

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