『未来の価値観』

古賀ヤスノリ イラスト こがやすのり
 いま多様性という言葉が世界中で言われています。さらに持続可能性という言葉が加わり、これまでの「画一化と使い捨て」(大量消費)の価値観から真逆の方向へと世界が向かい始めました。さらには資本主義の終焉という言葉も氾濫しています。つまり物質主義や成果主義の終焉であり、民主主義をふくめた多数決の価値観まで修正を迫られる可能性があります。世界的な企業は余力があるのでこの真逆の反転に順応し、新しい理念と方法論を作り上げつつあります。しかしこれまでの価値観や方法を捨てることが難しい組織や個人は、その葛藤に耐えられず反転した未来価値から取り残され、過去の存在になる恐れもあります。
 これまでの資本主義では生産性が重要視されてきました。成果主義や物質主義を支えるものです。しかし資本主義が形骸化し、それを支える人々に負の結果をもたらすようになってきた今、その全てが見直されることになります。生産性という「数の原理」は「質の原理」へと向かう。「質の原理」に生産性という概念は成立しません。質を生み出すのは創造性です。よって今後は創造性が大きな価値として、あらゆる社会的な指標になってくる。もちろん世界は急には変われないので、徐々にその方向へと向かう。
 生産性と創造性は逆の価値観です。生産は既知のものを増やしていく。関数的に物質と時間を相関させ操作も可能です。それに対する創造は未知のものを創ることで決まった方法論がありません。いわば発見の連続によって作られる。別の言い方をするならば、演繹ではなく帰納によって作られる。この違いはこれまでの価値観の全否定なので、反発もあり徐々にしか変われない。このように、これまでを否定することで発展する「弁証法的な進化」は創造性の根本原理です。そして生物進化も同じプロセスをたどります。つまり世界の価値反転が一つの創造性の動きであり、この流れに従うことが「創造的な進化」を自らがなすといことなのです。

AUTOPOIESIS 175/ illustration and text by : Yasunori Koga
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