『身ぶりと言葉』

古賀ヤスノリ イラスト

「進化はなによりもまず表現手段の進化である」
(アンドレ・ルロワ=グラーン)

 フランスを代表する文化人類学・先史学者の大書。人間がどのように進化し、道具と言葉、そして身ぶりという表現を使うようになったのか。それらが考古学的な状況証拠から推論されていく。顎を道具のように使っていた動物としての初期段階から、やがて手の使用と同時に、解放された顎は言葉を手にする。身体による身ぶりは言葉を支え、言葉は図示表現(絵)を支えていく。生物進化と表現進化の平衡性。これは3万年続く「絵画と文字の歴史」を推理するスリリングな書物でもあります。表現(芸術)の根本を探求する人にとって、まさに外すことのできない名著です。

N001『身ぶりと言葉』アンドレ・ルロワ=グラーン: Originally published in 1964
illustration and text by : Yasunori Koga

古賀ヤスノリHP→『isonomia』
日々の思考→『AUTOPOIESIS』
映画エッセイ→『Cinepheno』

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