「教育には初等も高等もない。ただあるのは教育だけである」
(ジョン・デューイ)
アメリカが誇るプラグマティズム哲学の代表格、デューイによる教育論。学校が陥りやすい、学校と生活の乖離(学校の孤立)を、社会からのフィードバックを取り入れ、再び結合させる。論理(学校)と実践(生活)の相互作用を取り戻すことで、“手本の奴隷制度”ではない、創意工夫や主体性を発達させる“自立したシステム”へと昇華させる。教育とは本来「ひき出す」ことを意味する。機械的な功利性からの解放が、学校を芸術と科学、歴史の拠点たらしめるとデューイは言う。教育制度の形骸化から子どもたちを守る、まさにプラグマティズムな教育の書。
013『学校と社会』ジョン・デューイ: Originally published in 1915
illustration and text by : Yasunori Koga