『ストーカー』
「ゾーン」と呼ばれる立ち入り禁止区域。そこには願いが叶うとされる部屋がある。案内人”ストーカー”は、作家と科学者を連れて「ゾーン」へ向かう。しかし、政府の厳重な警備と「ゾーン」そのものの性質により事態は予測不能な方向へと発展する。
「惑星ソラリス」に続くタルコフスキー監督のSF映画。しかしここにSFらしき風景は微塵もない。「ゾーン」は美しい風景によって表現され、その美しさは映画史に残るほどのものである。この「ゾーン」は一体なにを意味しているのか。立ち入り禁止区域が存在する日本にとって、今や無視できない映画である。
vol. 014 「ストーカー」 1979年 旧ソビエト 164分 監督:アンドレイ・タルコフスキー
illustration and text by : Yasunori Koga