『軽蔑』

古賀ヤスノリ イラスト

 難解と言われるゴダールの映画。しかしこの「軽蔑」は比較的にシンプルでわかりやすい。ある脚本家が映画製作に携わり、 その過程で精神が崩れはじめる。それは私生活へも影響を及ぼしていく。ゴダールの当時の私生活がそのまま演出に活かされている。その意味では生々しい映画だ。映画の導入部分で引用される「映画とは欲望がつくる 世界の視覚化である」という評論家アンドレ・バザンの言葉がこの映画の全てである。映画製作に対する”代償”を描いた傑作。

vol. 013 「軽蔑」 1963年 フランス・イタリア 102分 監督:ジャン=リュック・ゴダール
illustration and text by : Yasunori Koga

★古賀ヤスノリのHP→『Green Identity』

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