現実の世界は「物理的な因果」に従う。リンゴは樹から落ちる。振り子は左右に振れて最後には止まる。人々はそれに従う。しかし人間の心はどうか。愛する人が死んだとして、「心肺停止」で了解というわけにはいかない。つまり人間の心は「物理的な因果」には従わない。
ならば心はどのような因果に従うのか。人間の心は「意味的な因果」に従う。愛する人が心肺停止だけで納得できないのは、自分とその人の間に意味があるからです。自分にとっての「意味的な了解」がないと納得には行きつかない。
「意味的な了解」に至るには時間がかかることもある。理屈だけでは解決しない。「物理的な因果」と「意味的な因果」。この二つの世界を混同すると問題が長引く。二つをハッキリと分けて「意味的な因果」を大切にすることで、人々は納得を得ていくはずです。
AUTOPOIESIS 0049/ illustration and text by : Yasunori Koga
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