
世界は常に動いている。川は流れ続け、地球は回転し続けています。止まって見える巨木も緩やかに成長し、巨大な岩もいつかは崩れ去る。この変化する世界を止めて無変化にする方法があります。それが情報化です。走っている鹿を洞窟に描き固定させる。1万年以上前に描かれたアルタミラの洞窟画が今も残っています。これが動くものを固定する情報化の威力です。
ネットで検索できるものやデジタルで扱えるものは、すでに情報化したものです。つまり本物をピン留めするように固定させた仮の像です。この仮像である情報は変化する本物と比べると、断片であり数字のような抽象という不確かさをもつています。しかし便利であることは間違いなく、文化の発達には欠かせません。現代はこの情報がデジタル化とネットによって世界を覆っている。
人々が現実よりも、デジタル情報を鵜呑みに蓄積するのとが大半になると、ある現象が起こって来ます。つまり動いていた世界が止まってしまう。多様な意味は一義的に固定され、分類されたものは再編されず、数量化できないものは切り捨てられる。そして人の心も動かなくなる。これは情報化のマイナス面です。なので情報が便利な反面「ものの見方の固定」によって変化や可能性を失わせることを理解する必要があります。無変化な世界から脱出し生きた世界を自分で認識する。そうすることで世界とこころは再び動き出すのです。
AUTOPOIESIS 278/ illustration and text by : Yasunori Koga
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