良いことがあり嬉しくなって「やった!」と声をあげる。やったという言葉は喜びの表現です。もしその時腕を大きく広げたなら、その身振りも喜びの表現です。あるいは腹が立って壁を叩く。叩いた音や壁の凹みは怒りの結果現れる表現です。このように表現は心のありようと深く関係しています。積極的な時は積極的な表現(例えば絵や音楽の表現)として、また消極的な時は消極的な表現として現れます。
表現が前向きで積極的な時は、心も肯定的です、変化や偶然を許容できて発展的。それに対して表現が消極的な時は、心は否定的です。変化や偶然を拒み、全てを決めつけて防衛します。前者の表現は、表現自体を楽しむためになされますが、後者は自己防衛(あるいは逃避)のためになされます。つまり表現の仕方によって、心が発展したり衰退したりするということです。
喜びの声はその波長が他人へも伝わり前向きな影響を与えます。怒りだとその逆の影響を与えます。積極的な表現だと自己肯定感が増しそれが外へも伝わりますが、消極的な表現は「自己否定の正当化」というパラドクスになっています。つまり表現には前向きな表現(発展的な表現)と後ろ向きな表現(衰退的な表現)の二つがある。どちらの表現を続けていくかで、自分への影響は大きく変わってきます。二つの表現の区別をつけて、前向きなマインドから生まれる「発展的な表現」(偶然や変化を許容する表現)を心がけることが大切なのです。
AUTOPOIESIS 173/ illustration and text by : Yasunori Koga
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