アリクイという動物がいます。蟻を主食として生きる動物です。蟻塚の中の蟻を食べるために、口が細長く特化した形状をしています。そうなると他の物はとても食べづらい。完全にターゲットを蟻に絞った専門性。このように生き残りをかけた専門特化は、メリットとデメリットがハッキリと現れます。
人間もその道を極めると専門家になります。そうして専門特化すればするほど、メリットとデメリットはハッキリします。しかしプロフェッショナルとはそういうものでしょう。逆に言うと、デメリットがハッキリしていない状態は、中途半端だということです。
メリットとデメリットは表裏一体。もしデメリットを避けることに集中すれば、メリットも得られない。失敗しないために何もしない、ということになります。「専門特化すると環境の変化に適応できない」という意見もあります。しかし、その道の専門家たれば必ず「普遍的な原理」を理解しているはずです。よって他領域への応用も可能でしょう。アリクイは「専門特化の原理」を知るがゆえに、蟻が絶滅してもまた、新しい専門特化を見せるに違いありません。
AUTOPOIESIS 0051/ illustration and text by : Yasunori Koga
古賀ヤスノリのHP→『Green Identity』