この映画はSFというジャンルに分類されている。もちろんロボットが出てくるので見た目はSF映画である。 しかし内容はというと、まさに社会派そのもの。当時のアメリカ社会が”内側”からリアルに描かれている。なぜなら 監督のポール・バーホーベンは母国オランダからアメリカへ移住し、アメリカを体感して撮影に臨んだからだ。 よってこの映画は「ヨーロッパから見たアメリカ社会」が裏のテーマである。この映画の特徴である過激な描写も、 ブラックなユーモアもアメリカを表現するために選ばれた表現なのだ。コップがロボになること自体がすでにアメリ カを表しているのではないだろうか。社会派映画の傑作。
vol. 010 「ロボコップ」 1987年 アメリカ103分 監督:ポール・バーホーベン
illustration and text by : Yasunori Koga