『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』

古賀ヤスノリ イラスト

ある任務を遂行すべくあらわれたエイリアン。人間の女性に擬態し、次々と男を暗闇に誘い込んでいく。しかしある男との接触を期に、無機的なリズムは有機的な展開を見せ始める。
エイリアンから見た地球の風景。そして人間の行い。日常が異化された映像は見る者にある「気づき」をもたらす。人間とコミュニケーションを取るうちに芽生える感情。ただ行為する者から一つの意思をもった存在へ。その境界線に立ちはだかる壁が最大のテーマなのかもしれない。ジョナサン・グレイザーによる、いま最も先鋭的な表現形式。 ミカ・レヴィの前衛的な音楽も時代を突破している。歴史的傑作であることを直観させる一作。

vol. 036 「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」 2014年 イギリス 108分 監督 ジョナサン・グレイザー
illustration and text by : Yasunori Koga

古賀ヤスノリHP→『isonomia』

Scroll to top