『ブレードランナー 2049』

古賀ヤスノリ イラスト

 1982年制作『ブレードランナー』の続編。レプリカント(労働力として生産されたアンドロイド)を殺害する役目を負った“ブレードランナー”の物語。歴史的な傑作の続編という不利な条件でありながらも、見事にドゥニ・ヴィルヌーヴ版ブレードランナーに仕上がっている。荒廃し切ったした世界は、前作よりもタルコフスキーやエンキ・ビラルを手本にしたと思われる。過去の記憶まで移植された、人間そっくりのレプリカントは、“自己の確証をどこに求めればよいのか”という根本問題を突きつける。徹底した世界観と普遍的なテーマが、観る者を深みへと引きずり込む、「人間とは何か」を問う哲学的なSFである。

vol. 044 「ブレードランナー 2049」 2017年 アメリカ163分監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
illustration and text by : Yasunori Koga

★古賀ヤスノリのHP→『Green Identity』

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