「遊びの精髄は、なんといっても規則を守ることである」
(ヨハン・ホイジンガ)
この本は「遊びは文化よりも古い」という書き出しではじまる。「遊び」を歴史的、文化人類学的な視点から考察した内容は、この本から派生したフランスの『遊びと人間』(ロジェ・カイヨワ)より断然“面白い”。遊びはイメージを心の中で操ることからはじまり、利害関係を離れた行為として発達していく。規則の発生と反復可能性は、競技や戦争、裁判などの元型として今も機能し続けているという。人間の“楽しさ”の源泉となる「遊び」の基本原理が、規則を“自発的に”受け入れることにあるとする本書は、アクチュアルな幸福論として読むことも可能な名著である。
book / 025『ホモ・ルーデンス』ヨハン・ホイジンガ: Originally published in 1938