『未来世紀ブラジル』

古賀ヤスノリ イラスト

 閉鎖した管理社会に生きる主人公。彼は夢で見た女性を現実に目撃し、取り憑かれたように追いかけます。惰性化した日常にいつか現れるであろう姫君や白馬の王子。このような期待はいささか都合が良すぎるようです。むしろ「変化なき日常」を正当化するために作り出される妄想(大義名分)ではないでしょうか。すべての人間が管理された「未来世紀ブラジル」では、ユートピアへの逃避だけか、個人に許された自由なのです。
 

AUTOPOIESIS 0020./ illustration and text by : Yasunori Koga
古賀ヤスノリのHP→『Green Identity』

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