自由とは拘束をうけずに自分の思うままに振る舞えることです。例えば手足を使うことを制限されていたら自由に振る舞えない。これは「物理的な自由」の問題です。しかし自由とは「精神的な自由」もあります。ものの考え方が他に拘束されずに自由であること。例えば人目を気にし過ぎたり、親や世間体といった価値観だけを採用していると「精神的な自由」は阻害されます。このように自由には「物理的な自由」と「精神的な自由」の二つがあります。
自由の問題でよくあるのは、なんでもありは自由にあらず、ということです。ただ好き勝手に振る舞い他人を傷つけたりすることは自由ではありません。なぜならそれは相手の自由を阻害していることになり、その世界を許容すれば自分もまた自由を阻害されるからです。さらに精神的な面でも、自分自身への禁止が多ければ、他人へもそれを強要して相手の自由を阻害してしまう。つまり自由とは自己と他者の両方を拘束しない状態だといえます。
自由の根本は自分が他に依存せず精神が自由であることです。そのことによって判断の自由や行動の自由といった「物理的な自由」が生まれる。そうなれば相手の自由を阻害せずに尊重することも自然になされます。自己と他者の自由を同時に確保するためにも、自分を自ら拘束せず「精神的な自由」を保つ。そうすることで相手の精神が自由であることも自然に受け入れられるのです。
AUTOPOIESIS 158/ illustration and text by : Yasunori Koga
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