本当に望んでいることがあるとします。夢でも理想でもよい。しかしその手前で本当に望んでいるものとは違うもので満足してしまい、夢や理想を追いかける気力を失うということがよくあります。これは昼食の前にお腹が減って、間食を食べてお腹が一杯になり、本当に食べたものが食べられなくなることと理屈は同じです。つまり低いレベルのもので自分を満足させてしまい、本当に得たいもを得る気力を失うということです。
昼食前にお腹が減っても我慢するのが一番よい方法です。それなら昼食を美味しくとることができる。もしどうしても我慢できないなら、昼食に影響ないよう少量に加減して食べる。この加減が夢や理想を追うときにも必要になります。すぐに手に入るもので自分を完全に満足させてしまうと、夢や理想を追う気力を失う。むしろ不足や不満足こそが活力へと転化する。よって何でも易々と手に入る環境は、ヤル気を喪失させやすいと言えます。
安易なもので自分を完全に満たす癖がつくと、満足の容量がどんど小さくなっていく。そしうていつしか夢や希望も思い浮かばなくなる。なので、ある程度納得できるものでなければ自分を満たしてはならない、という定理が重要になってきます。もちろんそれだと簡単には自分は満たされない。であるがゆえに、その不足を埋めようとするエネルギーがヤル気に繋がっていく。つまりヤル気や気力は、すぐに手に入るもので自分を満足させないよう「満足を加減する」ことで生まれてくるのです。
AUTOPOIESIS 162/ illustration and text by : Yasunori Koga
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