『成長を続ける』

イラスト こがやすのり
 一般的に「成長」とは、植物や動物などが生育し発達することを指します。転じて、考え方が成長するとか、経済が成長するとか、無生物(実態のないもの)の概念にも使われます。この成長に対する反対の言葉は「衰退」です。動植物でいえば枯れはてて死へと向かう傾向を指します。実は生物は成長と衰退のどちらかしかなく、成長が止まることは衰退を意味します。これは生物以外の実態のないものでも同じです。
 ある人が成長を続ける。たとえば背が伸びる。しかしあるポイントで成長は止まり背は伸びなくなる。生物の成長はピークが過ぎると下り坂となる。成長か衰退かで停止状態はありません。これは精神も同じで、成長を続ける限り発展していく。しかし脳に依存しているので、脳の機能低下とともに徐々に下り坂となる。もしピークまえに力を抜き成長を止めると、早々と下り坂となり下降がはじまります。
 人は〝成長を続ける限り”生き生きとしていられる。特に精神の成長は、肉体のピークよりも先へ持っていくことが出来る。この精神の成長があらゆる意味での「老い」を防ぐと考えられます。精神が成熟すると、多様な考え方が許容され、柔軟性と高い倫理観により自己を律することができるようになります。必然的に感情も制御され心も安定する。精神の要である知性と感性を成長させ、さらに想像力を使って日々の生活を豊かにしていく。このあり方は「持続可能な平和の原理」を考え抜いた哲学者、イマヌエル・カントの視点と一致するものなのです。

AUTOPOIESIS 188/ illustration and text by : Yasunori Koga
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