何かに挑戦する。目的を達成するために、物事を上手く行かせたいと思ってトライする。もちろん上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあります。そして上手くいかないと努力が水の泡だと思ったり、もうだめだと諦めたりする。このように、物事は上手くいくことが良しとされ、上手くいかないことはダメなことだと思われています。しかし上手く行かないことのほうが長期的は良い場合も少なくありません。
例えば最初の挑戦で何かに成功したとします。それは偶然に上手くいっただけかもしれない。しかし上手くいったのでもうそれについては考えない。これがもし何度も失敗したのちの成功だったとしたらどうか。失敗の経験から「修正箇所」という有益な情報を得て、自分なりの法則を発見し、時間をかけて成功に至ったとすれば、その法則が他でも応用できる可能性があるのです。
こう考えると物事の本質は結果ではなくプロセスにあることが見えてきます。結果はトロフィーのようなもので本質はプロセスにこそある。そうなれば一挙に全てのことが無駄ではなくなります。全ては一本の映画のように本質の構成要素となる。つまり目的や結果はその本質的な要素を作り出すための「方向性」だと考えればよいのです。なので良い映画が出来れば、もしトロフィーが得られなかったとしても問題ありません。ここに成功や失敗を超えた「納得」という「本質に対する満足」があるのです。
AUTOPOIESIS 193/ illustration and text by : Yasunori Koga
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