『クラスチェンジの方法論』

イラスト こがやすのり

 クラスチェンジとはゲームなどであるキャラクターが成長し切って別のキャラクターへ変化(昇華)することをいう。たとえは戦士として戦って実績(レベル)をあげていき、あるレベルまできたときに魔法使いに変化する。ゲームによっては転職といったりもします。ここで特筆すべきはクラスチェンジが行われると、それまで上げたレベルは始めの1へ戻るということです。それまでの実績や肩書きが全て消えてしまう。
 クラスチェンジとともに全てを失ってしまう。しかしそれと引き換えに今までとは比べ物にならないハイレベルな存在となることができます。まさにこれは芋虫が蝶になるかのごとくです。クラスチェンジ前のレベルでは必ず飽和状態に達します。鉢植えの植物が最後には根詰まりを起こすように、内容の成長に見合った器(クラス)に替える必要がある。もしかたくなにこれまで世界観に(所有したものや地位、あるいは自分自身)にしがみついているとクラスチェンジは見込めません。
 人生においてもクラスチェンジはある。そのタイミングは個々の個性によって大きく違いがあります。ゲームとはちがうので教則本などはありません。しかし適切なタイミングが必ずある。それらは操作できないので偶然のきっかけが大きく影響してきます。ダーウィンの進化論が「突然変異」を軸に論じられることと同じです。そのキッカケをキャッチするために必用なものは、常にレベルを上げ続けるために「前進する」(戦う)ことと、新たな流れへの「柔軟な精神」を用意しておくことです。「天使は準備しておいた者の元へ舞い降りる」というわけなのです。

「幸運は用意された心のみに宿る」 
        ルイ・パスツール

AUTOPOIESIS 226/ illustration and text by : Yasunori Koga
こがやすのり サイト→『Green Identity』

Scroll to top