『絵を長く続ける方法①』

イラスト こがやすのり

 「継続は力なり」と言います。もちろん無理に続ける必要はありませんが、継続によるメリットは大きい。続けていくことで物事は成熟してゆき、のちに大きな花を咲かせる。あるいは果実が実り収穫の時期を迎える。また結果や成果だけではなく、継続が「安定」をつくると同時に、ムダを切り捨ててゆく「洗練」にもつながる。こう考えると、物事を継続できるかどうかで、大きな違いがあることがわかります。
 人それぞれ継続しているものは違います。たとえば私は子供のころから絵を描いています。専門として意識してからでも30年継続している。なので「絵を長く続ける方法」は経験的に理解しています。しかしその方法を一言でいい表すのは難しく、技術はもちろんのこと、考え方や人間関係も大きな要因だと感じています。
 絵を描くには技術が必要です。しかし技術と継続にはそれほど大きな関係はないと思われます。むしろ技術をどのように扱うかという「メタ技術」に継続のポイントが潜んでいます。「メタ技術」とは持っている技術を「どのように加減するか」という立ち位置のことです。料理人が料理に塩を加えるように、また車が狭い道ではスピードを落とすように、技術を加減していく。次回は絵の継続に必用不可欠な「メタ技術」について掘り下げてみたいと思います。

AUTOPOIESIS 230/ illustration and text by : Yasunori Koga
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