『カミュの精神』

古賀ヤスノリ イラスト

 なぜかクリスマス前にカミュのことを考えました。彼はまずもって哲学者でした。そして劇作家であり小説家でもありました。かれの日記を読むと、つねに深い思考で物事を「考え抜いていた」ことが分かります。さらに東洋の「禅」というよりは、日本の「武士道」を思わせるものがあった。とくに不条理に対して、負けを確信しつつもそれに挑む姿勢は、サルトルなどの実存主義とはまた違った「受け入れ方」が感じられ、それが私にはカッコよく感じられもしました。ゆえに、今年一年の‟重みと軽さ”をどう処理しようかと考えていた時に、「カミュの精神」に少しばかり頼ろうとしたのかもしれません。やはりアルベール・カミュという人は、ただの理論家ではなく実践的な人だったのだとつくづく思うのです。
 

AUTOPOIESIS 0005./ illustration and text by :Yasunori Koga
古賀ヤスノリのHP→『Green Identity』

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