日本の児童、生徒の自殺者が過去最高になったとイギリスのBBCが報じています。日本はここ数年自殺者は減少しているが、それに対して子供の自殺者は増加しているといいます。この事態をどう考えればよいのでしょうか。統計では、いじめや家族の問題よりも「進路問題」が自殺の原因のトップだったそうです。つまり社会的な抑圧が原因で、子供たちが自殺へ追い込まれているということです。自殺者の数を減らそうと対策を打つ。その影響で大人の自殺者だけが減り、子どもの自殺者が増えた。つまり「大人を助ける制度」が結果的に子どもを苦しめている。ちょっと考えただけでも「大人の安定=保守化」に社会を傾けることで、未来に可能性がある子供たちには抑圧となります。不必要な補助は人をダメにするというテーゼ。自殺を考える人に対する補助と、未来の可能性を消し去る補助の区別がここでは問題となります。たとえ意図せずとも、大人のために「子供に必要なもの」を取り上げる制作になっているとすれば、それは「超自我の強い日本列島」(親優位社会)の発想そのものだと言えます。大人が真に自分の腹を裂くことでしか、この問題は解決して行かない。こどもは親や大人の所有物ではないのですから。
AUTOPOIESIS 0014./ illustration and text by : Yasunori Koga
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