『失敗を選ぶ?』

古賀ヤスノリ イラスト こがやすのり
 自信がないと失敗を選ぶという法則があります。失敗を自ら選ぶなんて自虐的で信じがたいと思う人もいるかもしれません。しかし実際には多いのです。なぜ自信がないと失敗を選ぶのか。それは挑戦すると失敗する可能性がある。自信がないと失敗を恐れる。ならば先に自分で失敗を選べば傷つかない。転んで倒れる前に自ら倒れるとうことです。そうして事あるごとに失敗する方を選んでいく。
 もし自分に自信があれば、失敗の可能性が高くても、少ない成功に賭けることが出来る。しかし自信がないとその選択肢がない。さらに失敗を自ら選ぶ手法を正当化するために、また次も同じ方法をとってしまう。この繰り返しを心理学的に言うならば「強迫的反復」と呼べるでしょう。自己正当化のために失敗を強迫的に反復してしまう。これをやめなければ成功できない。
 もし誰かが成功する選択をアドバイスしても、自信がなく強迫的反復にはまった人はアドバイスを無視することになります。いまや失敗が安心に繋がり、成功が怖いという状態になっているからです。そして失敗が、「正しいアドバイスを無視した結果」であることを受け入れる力がないので、正しくアドバイスする人を排除します。そして誤ったアドバイスをする人の意見だけを聞く。これはある意味で最悪の構造ですが、自信を喪失した人に見られる構造です。まずはそのような構造があることを知る必要があります。知ることで初めて抜け出すことも可能となるのです。

AUTOPOIESIS 137/ illustration and text by : Yasunori Koga
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