『統合について』

古賀ヤスノリ イラスト こがやすのり

 植物に水を与える。そして日光にあてて育てる。すると水分が蒸発するので、また水を与える。そしてまた日光が水分を蒸発させる。この二つの行為は矛盾しています。もし片方だけしかできなければ植物は枯れてしまう。二つをバランスよく与えるためには、相反する二つを「加減」する必要があります。
 AとBを統合していく。もし片手だけだと、どちらか一つしか持てません。AからBへ持ち換えるにはAを捨てるしかない。例えばAの仕事をやっていて、新しくBの仕事が舞い込んで対応していると、Aは忘れ去られてしまう。しかし両手があると両方とも同時に扱うことが出来ます。どちらも手にあるので忘れることがありません。これが統合の状態であり、片手だけという状態はいわゆる分裂の状態です。
 AとBの二つを上手く加減していくとリズムが生まれます。つまり物語が生まれる。もし一つしか「許されていない」となると、リズムも物語もありません。つねに片方を捨てるしかないので文脈を「連ねていく」ことができない。リズムや物語を生み出すには、相反する二つの「区別」をはっきりつけて、両手で上手く加減する必要がある。そうすれば片手でしか現れない「静止した世界」とは次元の違う、リズムと物語に満ちた「動的な世界」が現れるのです。

AUTOPOIESIS 152/ illustration and text by : Yasunori Koga
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