『美しく育つ環境』

イラスト 古賀ヤスノリ Yasunori Koga
 鉢植えで植物を育てていると、なんとなく調子が悪いものに気付きます。すぐに枯れていると分かるのではなく、成長が遅くなったり葉の形が小さくなったり退色したりという変化です。この状態を放置していると最後は枯れてしまいます。これは鉢の中に根がパンパンに張って鉢をおし広げようとしている状態です。こうなると根は“窒息”し水はけも悪くなる。つまり適切な成長には、植物の苗に見合ったサイズ(大きすぎてもよくない)が必要だということです。
 これは植物だけに限りません。成長に関わることには適切な器(質)とその大きさに見合ったサイズが必要不可欠です。もし成長が遅すぎたり止まっていたり、あるいはマイナス(たとえばヤル気が出ないなど)になったとすると、それは器(環境)に問題があると考えられます。器が小さかったり、偏っていたり、古くて壊れかけているものも良くありません。このように成長の鈍化や問題が器(環境)のほうにある場合も多いのです。
 植物の根は水や栄養を吸収する大事な役割があります。根がやせていたり問題があると、それは全てに影響します。美しく育つ植物は根がしっかりと健康ではっています。もちろんそれには日光や水といった要素が不可欠です。それと同時に植物の根が健康に成長する環境が大切です。成長に見合ったサイズへ器を変えていく。この概念があるかないかで成長は随分とちがいます。根は隠された成長の基盤です。その根に適した環境選びこそが大事なのです。

AUTOPOIESIS 250/ illustration and text by : Yasunori Koga
古賀ヤスノリ サイト→『Green Identity』

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