分からないことがあればなんでも検索する。ネットは便利なもので、誰かが必ずと言って良いほど情報をアップしてくれています。それを読めば知りたいことが分かる。もちろんその情報が正しいかどうかの問題はありますが、とにかく検索すれば知ることができる。ほとんどの情報を知ることができりので、検索しても出てこないものはこの世にないものとして扱われる。少し大袈裟ですが、検索して出てこないものは分からないので、無いと判定しがちなことは事実です。
例えばネットの地図にない道はないものと考える。カーナビの情報とは違う大きな道が現れたら驚いてしまう。しかし本当は驚く方がおかしい。なぜなら、ネットの情報は現実の一部を情報化したに過ぎず、まだ情報化されていないものも沢山あるからです。さらに現実は変化するので、それに応じで情報をアップデートしなければならない。しかし修正せずに放置されたままの情報もたくさんあります。
人は大事なものはあまり人目に晒さない性質をもっています。よって大事な事や重要な発見などはいまだネットに情報化されていない場合が多い。それらはネットではなく現実の方にある。この意味ではネットに情報化されたものは既に終わったものであり、古くなり修正を待つものも多いと言えます。もっとも新鮮で価値があるのは現実の情報です。私たちはネットの情報を読むように、「現実を読む」ことではじめて古い情報の蓄積による「思考の形骸化」を回避することができるのです。
AUTOPOIESIS 159/ illustration and text by : Yasunori Koga
古賀ヤスノリ サイト→『Green Identity』